エディが選んだ、望んだしあわせ。
ブラッドブラザース大千秋楽を迎え、限りなく大きな幸せと、ひどく大きな喪失感を感じながらこの文章を打っています。身体重い…ロス酷すぎ…(泣)
私は、この舞台を通して、Twitterなどでたくさん見かけた所謂「解釈」というものをあまりしないで観劇してきました。
もちろん、ほかの方の解釈を見て なるほど 、と思ったり、実際に舞台の見方が変わったこともありました。
…人に影響されやすいんです、私。(笑)
だから、自分なりの解釈なんてまとまるわけがないし、 やるだけ無駄だな、素直に観劇しよう と思いながら見てきました。
しかし、今回松竹座でのブラッドブラザース、エディを見て、明らかに変えてきたところがひとつあって。
この私がたまらなく解釈したくなってしまったので、自分の中で整理をつけるためにも、打ち残しておきたいと思います。
新橋、松竹座とブラッドブラザースを観劇して、エディが明らかに変えてきた演技、それは
ミッキーの幼なじみ、のちのミッキーのパートナーとなる、リンダへの接し方
です。
特に違うなと感じたところは、
- 大学にたつ前夜、リンダに自分の想いを歌に乗せて打ち明けるシーン(でも僕は~言わない~のところ)
- 傷ついたリンダと会う(浮気?する)シーン
です。
まず、リンダに想いを打ち明けるシーン。
新橋、松竹座共に歌の間奏?のときにリンダを横目で見るのですが、
新橋ではチラッとリンダを見たあと悲しそうに、切なそうにフッと笑っていたのに対し、
松竹座ではチラッとリンダを見たあと、 言ってしまった 、と後悔するように悔しそうな顔をするのです。
(私は新橋での、最高に切ない笑顔が最高にすきだったので、明らかに違う表情に えっなんで?!! と双眼鏡を目に食い込ませながらわなわなしました。)
次に、傷ついたリンダがエディに電話し、会うシーンです。
こちらも新橋、松竹座共に頬へのキスや手を繋ぐ、腕を組むなどの動作は変わっていませんでした。
が、やはりここも表情が明らかに違いました。
新橋では、にこにこ、あの昔、一緒に遊んでいたときと同じような笑顔だったり、どこか幸せそうな、そんな表情でした。
しかし松竹座では、時折笑顔を見せることもありますが、常にどこか後ろめたさを感じているような、思わず これでいいのか? 、と言い出してしまいそうな表情をしていたのです。
なぜここまで、変えてきたのだろう?神山くんは何を伝えたいのだろう、エディは何を思ってるのだろう…
とその日の公演(大千秋楽前夜)の帰り道、ぐるぐると考えました。
…で、ここからが私の「解釈」なのですが。
エディのあの変化は、
ミッキーとリンダに対する想い
のあらわれなのではないかと思いました。
エディは、
ミッキーとリンダが永遠に結ばれ、いつまでもふたり一緒に幸せでいること
を誰よりも心の底から強く願っていたんだと思います。
エディはミッキーとリンダに幸せになってほしいって本当は誰よりも心の底から思ってるんだ 願ってるんだ それは昔から、7歳の時からずっとなんだよ…
(大千秋楽前夜のツイートです。)
前夜にこのことを解釈してから、次の日の前楽、楽と目を凝らして観劇してみることにしました。
エディは7歳の時にミッキー、そのちょっと後にリンダに出会います。
エディがミッキーとリンダに会う前よりも、2人は先に出会っていました。そんな2人のあとをエディはいつも追いかけてきた。ずっと2人を後ろから見てきた。
14歳で再会したとき、エディはリンダのことを思い出して真っ先にミッキーに言います
「君のガールフレンドなの?」
ガールフレンドじゃないと知って、ミッキーがなんて言えばいいのかわからない、と打ち明けると
「でも言わなくちゃダメだよ」
って、優しい笑顔で言うんです。
2人の幸せを願うのは、エディがリンダのことをすきになってしまったときも変わらなかったと思います。
(ここも、若干の解釈なのですが、エディがリンダを意識し始めるのは、17歳のときではないかと思っています。煙草を吸うシーンなのですが、エディがすごくリンダを見ていたり、触れられて気にしたり、吸えずに笑うときもリンダの方をずっと見ていて。 知ってるわ! ってひといたらすみません偉そうにすみません)
エディはリンダのことがすきになってしまいました。
でも、エディは自分では幸せにできない、だってリンダは、ミッキーがすきだから。それに何より、リンダを1番幸せにできるのはミッキーだって分かっているから。
この気持ちは自分の中のものだけで構わない、口にしたら、2人を不幸にしてしまうかもしれないから。そんなのは嫌だ。
しかし、まだミッキーがリンダに告白していないと聞いて、思わず気持ちが溢れ出てしまいました。
ほんとは言いたくなかった…でも言ってしまった。それで、あの表情になったのかなと思います。
「でも僕はちがう、…ミッキーじゃない」
ミッキーが合流して、ミッキーが告白しているとき、すごく笑顔なんです。(作り笑顔なのかな、わからないけど。)
(…それにぶちゅぶちゅしてるうちに表情曇らせてはけるし。(笑))
↑ここですが、大楽ではキスする2人を見てふわっと笑ったあと、切ない顔になってはけていきました。
一度はうれしい表情になるんです。やっぱり、2人の幸せな姿を見ることがうれしかったのかな。
クリスマスにミッキーと再会し、2人は悲しい別れをしてしまいます。その後エディはリンダに、ミッキーはサミーに会います。
私の解釈でいちばん矛盾してしまうところといえば、ここ。
エディがプロポーズするんですよね。
(ほらー!慣れないことするから中途半端につまずくー!!!)
そもそもなぜ、プロポーズしたんだろう。ミッキーとリンダが付き合ってることはとっくに知ってるはずなのに。
…ミッキーを失ってしまって、リンダまで失いたくないと思ったのかな、
エディはリンダから結婚していること、子供もできたことを聞きます。
きっとここでまた、エディはやっぱり2人が幸せになることが1番だと再確認するのだと思います。
2人がだいすきだから。
…ミッキーは、大切な兄弟(親友)だから。
悪魔でもエディは2人の『幸せ』のために家も仕事も与えます。
それにエディはずっと覚えてるんですきっと。
7歳の時に交わしたあの契りを。
『いつも兄弟を守る』『味方になる』
そして、『お菓子を分ける』
ミッキーには、この気持ちは届かなかったけど。
(いや、ミッキーはちゃんとわかっていたかもしれません。でも、『何も持っていない』自分が嫌でしょうがなかったんだろう、と、思います…)
リンダに会うときも、2人の力になるなら、2人の『幸せ』のためなら、って思いながら会ったんだと思います。
でもやっぱり違くて。
こんなの良くない、リンダがいま隣にいなくちゃいけない人は、自分じゃない。
でも、これでリンダが元気になるなら。2人が幸せになるなら。
そんなことを思っての、あの表情じゃなかったのかな、と思います。
悲しいことに、このいちばん見られたくなかった場面をミッキーに見られてしまいました。
最後の、市役所でのシーン。
ミッキーが絶対に笑顔になる瞬間が、ふたつあるんです。
ひとつは、薬をやめたと聞いたとき。
そしてふたつめは、ミッキーが自分にはリンダしかいないと打ち明けるとき。
やっと、気づいてくれた。
ミッキーは何も持っていなくなんかない、たったひとつ、でもそれは何もかも持っているエディ自身が欲しいとも思っていたかけがえのない大きな大きな、
『リンダ』なんです。
ミッキーはとても大事なことを思い出してくれました。エディは本当にうれしかった。
これで2人は幸せになれる。
そう思ったのに。
『俺、見たんだ。お前とリンダが一緒にいるところ』
ちがう
「君が何を見たのかはわからないけど僕とリンダはただの友達だよ」
『俺、考えたんだ。エディとリンダは昔から友達だったんじゃないかって。リンダが妊娠した時もあの子もそうなのか?他の物と同じようにあの子もお前の物なのか?なぁそうなのか?』
ちがうちがうちがう
「違うに決まってるだろ!」
劇中、ここがいちばんエディの声が大きかった気がします。
違うに決まってる、そう、エディは本当に2人に幸せになってほしいだけだったのです。
そんなことを言う暇もないまま、
ジョンストン夫人が乱入し、ミッキーとエディは本当に兄弟であったことを知らされます。
私はこのときのミッキーとエディの気持ちは考えたことがありません。
ミッキーはエディを撃ち、ミッキーは警察官に撃たれ、ふたりは死んでしまいました。
エディが望んだ、『幸せ』
エディの望みは叶ったのか、わかりません。
ただひとつ、言えることは、
エディは7歳からずっと、本当に何も変わらなかった。
ということです。
ミッキーも言いました、
『そんなのガキのころのことだろ…お前は何も変わっちゃいねぇんだよ』
『あんなのはガキの頃のあそびで、俺は思い出したくもねぇんだよ』
でもエディは、そんなガキの頃のあそびも、ずっと覚えてた。
ミッキーは、大切な兄弟だから。
見た目も、声も、頭の中も、
大人になっても、エディの心の奥底にはミッキーとのあの日交わした契りがあったのです。
エディのたったひとりの親友だったから。
兄弟だったから。
天国で本当の『兄弟』として2人が再会したとき、エディは本当の気持ち、死ぬ直前に言えなかったあの気持ち、
ただ、ミッキーには幸せになってほしかった
って、言えるのかな、言えるといいな、と思います。
…でも、言わなくても、ミッキーはわかっているのかもしれませんね。
余談ですが…
私、2人が天国で『兄弟』として再会したとき、やってほしいこと、というか、やってたらうれしいな、って思うことがあるんです。
『兄弟?!!』
「ミッキー!!!」
『「くそぶったまたまげ!!!!!!」』
どうか天国でもう一度、本当の『兄弟』として。
いちからやり直そう。
2人が幸せに、仲良くバカやって大笑いしてますように。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
だらだらとわかりにくい文章ですみませんでした…(泣)
本当に、素敵な舞台、素敵なカンパニー、そして、そんな皆さんに囲まれて真ん中に立つ神山くん、照史くんに出会えて最高に幸せでした。
何個ありがとうがあっても足りないくらい、この舞台を観劇できたことが幸せでした。
本当に本当に本当に本当に本当に、
おつかれさまでした。
ブラッドブラザース、だいすきです。
忘れないよ、絶対に、忘れない。